2021/8/10 『監査提言集』を読み始めて

ぎばーノート~ギバー(Giver)という生き方の記録

今日は、いつも以上に日記的になることをお許しいただきたい。どうしてもあることを記録しておきたい気分なのである。

朝、オンライン英語の講師のアサインについて、事務局に不満を述べた。

日々穏やかに、そして感謝の毎日を過ごすんだ、そうすれば、いいことばかりが起こる。自分が変わればまわりも変わる。こんな風に思って接していると、確かにつまらないと感じていた講師との授業も、以前と違って見えてくる。全く盛り上がらず、「何か質問はないか」と繰り返されることにうんざりしていた講師に対して、逆にこちらからいろんな質問を投げかけることで会話が進む。いや、こちらからそんな無理して質問していないのに、向こうから結構話しかけてくる。

自分が変わることで、アサインされたくないと思っている講師は消滅するのならば、これはすごいことだ。ここのところ、こんな風に思って過ごしていた。

ところがである、9月のアサイン表を見ると、あまりに希望の講師が削られている。最初見た瞬間、「うーん」と思ったが、「まあ、いいか」と受け流した。ただ、このときネガティブな感情が起きたのは確かである。

それから少しして、「やはり言うことだけは言おう」という気になった。それが今朝であった。なぜ急にそう変わったのかは分からない。ただ、気持ちや感情を心のうちに隠して、すぐに忘れ去れるのならよいが、心の中にネガティブな思いが残るのはよくないと思った。

クレームは、私の今の気持ちを素直に伝えるのが目的であり、決まったアサインを撤回・変更してほしいという条件交渉ではなかった。実際、変更されることもなかった。しかし、気持ちを伝えたので目的は果たせた。

その後、スターバックスコーヒーに行って、ホットコーヒーを飲みながら、日本公認会計士協会が会員向けに頒布している「監査提言集」をつらつら眺めた。(後述)

そして事務所に向かう途中、雲一つない快晴に、非常にすがすがしい気持ちになった。そして生きているなという感覚、今こうして生きているだけで素晴らしいなという実感が湧いてきた
実は、こういう気分になったことを書きたくて、その前段を長々と書いたのであった。

さて、「監査提言集」だが、これは監査人にとって、大変耳の痛い、監査の失敗事例集だ。非常に貴重な冊子であるが、公認会計士あるいは会計士試験合格者のどれほどがしっかりと読んでいるのかは微妙だ。
私も監査を職業としていたとき、読み始めて最後まで読み切ったことはなかったことを、ここに打ち明ける。

ルートコーズを探っていく作業は、監査の失敗を二度と起こさないためには、避けて通ることのできない重要な工程だ。ただし、すべてが明らかになり、それがきれいな文章で理路整然と並べられてしまうと、どうしてもそこからリアリティが薄れてしまう。
大抵、「何でそんな失敗したの」「それ、さすがにダメでしょ」「あり得ない」みたいに読めてしまうのだ。
それがつまらないという感覚を引き起こし、最後まで読むのが苦痛になるのだと分析する。(多くの監査人から反論が来るかもしれない。)

事例は以下の構成となっている。事例の概要、取引の概要、監査人の対応、改善すべき点、提言、関連する主な実務指針等。改善すべき点には、【問題点】と【改善すべき点】が上下に対をなしている。【問題点】は、事実を構成する複雑な事情に対して、結局何が問題だったのかという核心を、3~4行で示したものだ。改めて、よくできた提言書だと思う。

どっぷりその業界に浸かっていた人間が、一旦そこから離れて引いて見ていくと、ちょっと違った見え方が浮かんできた。これ、企業側の目線で見るとどうなんだろうと。例えば、不正事例であれば、企業側は言ってみれば加害者であり、投資家が被害者となるが、犯人と例えられる企業側が一枚岩であることはほとんどない。ならば、企業側のルートコーズを探る観点で、事案を検討していけば、企業側の研修資料として使えるのではないか。また、事案は一定程度抽象化されているのだから、想像力を高めて、あれでもないこれでもないと、ディテールを足し上げてケーススタディとするのも面白い。
新しい見方をすることで、新しい活用方法まで頭に浮かんだ。

今日の天職探しであった。

追補:2021/8/11 改めて提言集の最終ページを見ると、著作権が協会に帰属すること、事前の文書による承諾なしに、一部について引用、複製、転載、頒布を禁ずるとある。シリーズものとして、一般公開解説するのは難しそうである。