2021/7/27 ビリギャル講演会

ぎばーノート~ギバー(Giver)という生き方の記録

「『ビリギャル』本人講演&母娘SPトーク」のアーカイブを聞いた。(関連記事については、2021/7/12 トーク番組をクリック。)

7月19日当日もオンラインLIVEで聞いたが、アーカイブ公開最終日の本日、メモをとりながら再度聞いた。
私に刺さったことを、自分の現状に照らしながら書いてみたい。

ビリギャルの小林さやかさんは、非常に講演慣れしていてとにかく面白い。あっという間の75分だった。冒頭に、「ワクワクすることを自分でみるけられる人になってほしい」というメッセージがある。テーマは、これに貫かれていた。

受験生を抱える親は、多かれ少なかれ受験への心配を抱えているのではないだろうか。加えて、私の気持ちに照らせば、火が付くまで待つのは「後悔先に立たず」になるという焦り、聞く耳を持たない子へのいらだちがある。

さやかさんの話されたことは一つ一つ大変参考になった。「挑戦」に必要な5つ。ここでは3つ紹介したい。

  • ワクワクする目標を見つけること
  • 根拠のない自信を持つ
  • 目標や夢を公言する

何といっても、最初が一番大切だ。「なんのために?」が分からないと始まらない。このことをさやかさんは「エンジン」と言っている。エンジンがかならなければ車は動かない。親がどれほど後ろから押しても、車は全く動かない。

そして、次のアドバイスが秀逸だ。なんのためがみつからない人は、是非『だれかのために』勉強すると考えてみて」という。「じぶんのため」じゃない、「だれかのため」と考えた方が、子供には刺さるという。
何気ないアドバイスのようだが、私にはドーンと刺さった。

今まで自分はどちらかというと、「自分を犠牲にして他人のため」という発想が強かった。それは違うよという話を、20代の頃から、自己啓発、精神世界、スピリチュアル系の講演会やセミナーで聞かされて、でもなかなかピンとこなくて、徐々にそれが分かるようになってきたのが、30代後半だったと思う。「自分を満たす」、「自分を愛する」。これはその通りで、上記の話に例えるならば、エンジンがあってもガソリンが補給されていなければ、ガス欠で走れないという話である。

そこで気が付いた。(ガソリンではなく)ことエンジンについて言えば、どこかに向かうためにそれを使うのだから、目標設定は、「だれかのため」と考えた方がわかりやすいのだ。もちろん、自分の内なる声に気づいて決められれば間違いなく最高だが、子供にそれを説明するのは難しい。大人も、私のように競争社会で30年近く生きてきた戦士には、内なる声の周りに、何重にも自我が覆われている、そこにたどり着かない。

ワクワクすることのヒントについても、いろいろと触れてくれていたように思う。電車の改札口では、30年前、すべて駅員が切符を切っていた。そして今、100%自動改札に変わってしまった。30年後の常識なんてまったく分からない。AI時代が到来し、ロボットがなんでもしてくれる時代。「ロボットにできなくて人間にしかできないものって、なんだろう?」。考えること、自分で決めること、感情を持つこと、失敗しながら道を切り開いていくこと、クリエイティブなこと、夢見ること

根拠のない自信を持つこと。自己肯定感を高めることと言い換えていた。
やってみなきゃわからないという、当たり前のことが、周りの人たちの思考にブロックされて気づかない。
「皆、結果からしか判断しない」という冷徹な現実を、実体験から見事に説明してくれていた。誰もプロセスは見てくれないのだ。受かれば、「はじめから頭がよかった」と言われ、落ちれば、「だから言ったじゃない、無駄だって」と言われる。でも一番重要なのは、「死ぬほど努力するという経験を自分が持っている」ということ。「それが一生の宝になる」のだ。
何でもいいからワクワクすることを見つけて、それに飛び込む勇気を持って。「私にあったのは地頭ではない、自己肯定感である。」という言葉は、さやかさんの本音だと思う。

振り返ると、自分は中学のときに運動会の長距離走で学年1位という成功体験を持った。誰からも勝ち目がないと思われていたレースに、なぜか立候補して、そして友人と密かに練習して勝利した。そのときから、「努力は裏切らない」、「自分は強運である」、という考えが自分の中心に置かれるようになった
すべてにおいて自己肯定感が高いかというと、そうではないが、ここぞというときには「上手くいく」という妙な自信は、いい結果に作用したと思う。

目標や夢を公言するのところでは、さやかさんは「メンタルが9割」と断言する。受験勉強に限らずなんでもそうだという。モチベーションが保たれた奴の勝ちという法則は、過去の自分の経験からしても、当たっている。

その他、リフレーミングを使って自己も他者も状況をポジティブにすること、周りはピグマリオン効果を出し続けること、期待を込めれば人は伸びるという話などをしてくれた。
ピグマリオン効果の反対はゴーレム効果というが、冒頭の私の感情がどちらかは言うまでもない。

このオンライン講演会は、タイトルの通り、「母娘SPトーク」がついていた。さやかさんの母親である橘こころさん(以下、ああちゃん)も加わって、視聴者からの質問に答えてくれた。

ピグマリオン効果は自分自身でできる。「きっと自分ならできる」と言葉に出していうことを勧めていた。(ああちゃんの周りは、うまくいかなかった当時、100%ゴーレム効果だけだったという。)

坪田塾の親面接で、「Doing、Having、Beingでほめるうち、何で褒めるのが一番いいと思いますか」という質問があり、ああちゃんは「Being」と答え、それだけ正解したという。Beingだけが、無条件にほめるということであって、子供にとって最も自己肯定感が上がるほめ方だという(確かに行動や所有に対してほめるのは、それを「為した」から、それを「得た」からという「条件」が付いている。)
でも、これを実践するのは至難の業である。子供の存在そのものが、有難い・尊いことは分かるが、それを「ほめる」とはどうすればいいのか。まだまだ、私はそのレベルである。

一番心に残ったことを最後に書いて終りにしたい。

それは、「どうしてああちゃんは、そんなに子供を信じることができたのか。」という質問に対する回答であった。特に長男(弟)に対しては、何をやっても上手くいかず、子育てに疲れ果て、途方に暮れていた毎日だったという。長男に「なんでそんなことしたの?」と問いかけると、ポツポツ答え始めたという。答えを聞いて、そのすべてが子供のやさしさと思いやりから来ていることを知った。どんな(世間的に悪い)ことをやっていても、それはやさしさなんだと信じることができたとき、ものすごく楽になったという。

信じ切るとその子のいいところしか見えてこない。結果もいいことしか起こってこないということを、体験しちゃったので、子供を信じることは、本当に楽で楽しいことなんです。

「なんか私、変なこと言っている?参考になるかしら」とつぶやくと、さやかさんがそれに答える。「いやあ、すごく説得力あるんだけどさあ、難しいんじゃないかなあ。」

この「体験しちゃった」という言葉が非常に力強く、心にダイレクトに飛び込んできた。今この原稿を書いていて、このああちゃんの言葉が心に飛び込んでくる程度には、私も進歩したんだなと思うと、ちょっとうれしくなった。

この気づきは、もう何ものにも変えることのできない神様のギフトだったのだと思う。それに気づけるかどうかは、自分次第なんだと思う。チャンスは平等にあるはずなのだから、書き手は早くそれに気づかないと。教育関連の仕事をしたいならば、まずそこからスタートでしょと、自らに言い聞かせたい。