本日は、20年来の友人に誘われて、アマチュア合唱団の練習会に参加してきました。
吉村妃鞠さん
お誘いを受けたのは4月であったが、緊急事態宣言のため5月の練習会はなくなり、6月にリスケとなっていた。(未だ緊急事態宣言は解けていないが、時短で練習を再開したとのこと。)
合唱団の団長は、有名な作曲家の三枝成彰氏だ。一通り練習が終わって、最後に団長が話した一言が非常に心に刺さった。
9歳のバイオリニストの吉村妃鞠さんのことを、「今はおそらく、世界一のバイオリニスト」と紹介していた。ここでいう世界一というのは、この年齢でという意味だろうが、とにかくほめちぎっていたので、すでに9歳にして世界レベルと言いたかったのだと思う。(吉村妃鞠さんのYouTubeビデオはリンクをクリック。)
そして、こうも言っていた。「旬のときに行って聞いておくべき。もうそのチャンスは来ないかもしれない」と。ちょっと意味深だが、続けて次のような話をされた。
「プロというのは6万時間練習しなければいけない。6万時間練習して初めて人前で演奏することができる。我々の世界では、『それまでは人前で演奏してはいけない』と言われている。」
「6万時間ってどのぐらいの時間かというと、4歳からバイオリンを始めたとして、4歳から24歳まで、毎日1日も欠かさず8時間練習して初めて到達する時間である。」
ここから先は、三枝さんの言っていることをダイレクトに言うと、ちょっと賛否両論が巻き起こるかもしれないが、概ね以下のような話をされた。
・今は世界一でもこれから本当にすごい演奏家になるかどうかは分からない。
・ならないとしたら、理由はただ一つ。恋だ。演奏家は、男ができたらダメ。
・24歳まで、男を作らず一心不乱に練習し続けられるかどうかだ。
ここから先は蛇足だが、これまたなるほどと思わせる話なので、書かずにはいられない。
「大谷翔平、すごいでしょ。あれはXX(LGBTの一つ)だ。女のインタビュアーには冷たい。でも、男に対してはときに全然違う表情をみせる。また、ベンチ裏でのチームメートのやり取りをみても、一目瞭然だね。」
だから奴は本物だという論法である。
「6万時間の法則」「1万時間の法則」
話を少し戻して、プロになるために必要な「6万時間の法則」というものが非常に気になった。ちょっとそれらしいキーワードでググってみたが、6万時間という記事はどこにも出てこなかった。
ところが、「三枝成彰、6万時間」で検索したら、でてきました!(ご興味のある方はリンクをクリック。)
6万時間の真偽はともかく、1万時間という記事は多く引っかかった。1万時間だとしても、とてつもない時間だ。毎日8時間を3年間やっても届かない。でも、この言葉はある程度正しいような気もする。
そもそも、どこまでを算入可能な時間とするのかという大きな問題があるのだが、卑近な例として私の公認会計士試験の準備時間をざっくり計算すると、
初年度4月~7月(短答式試験まで):平均10時間/日×16ヶ月≒4850時間
次年度8月~7月(論文式試験まで):平均7.5時間/日×12ヶ月≒2730時間
合わせて約7500時間である。
2年目の時間は、予備校での授業時間は入れていないので、それも含めれば9000時間は超えるかもしれない。(初年度は、おそらく10時間の中に含めていた。とにかく毎日12時間やろうと必死だった。)
1万時間近く修練した結果、公認会計士になれたという訳だ。「試験に合格するレベル=プロ」ではないので、少しずれた議論をしたかもしれないが、自分の中で自信が持てるレベルに達するためには、一定の量をこなすことが絶対に必要だというのは、私の確信するところである。