【日経ビジネス】 2021/11/3

ぎばーノート~ギバー(Giver)という生き方の記録

佐伯真也(日経ビジネス副編集長) プレステの父・久夛良木氏、「今の10代は僕から見てもスゴイ」

久夛良木さん、懐かしい。この記事は、彼の基本的な考え方がコンパクトにまとまって面白い。読んでいて、典型的なグローバリストだと思った。

  • もはや、どこかの国の政策でイノベーションを起こしてその地域で実装する時代ではないのは確か。論文や人の流れを見ても、世界は1つになっている。
  • (日本の教育を変えるために、)最も簡単なのはダイバーシティー(人材の多様性)を加速することだろう。

でも、決してネガティブな印象で捉えなかった。

2022年4月に新設される近畿大学の情報学部では初代学部長に就任するそうだ。戦後から続いてきた教育が問題だと思っているから、何とか変えたいと熱い。「ゼロからイチ」を作る教育を一切やってこなかったことに対する危機感が強い。「教育って数十年単位で時間がかかるよね。文化を変えるよりも難しい。」という感覚は、おっしゃる通りだと思う。私も子供の授業参加を聞いて、(英語の授業を除き、)自分が中学生の頃と、あまり変わっていない印象を受けている。

私は、久夛良木さんの言う「ダイバーシティ」が「色々な国の人と過ごし、一緒に仕事したほうがいい。」という点に共鳴する。今日本で行われている「ダイバーシティ」の多くが、女性の登用、女性管理職・経営者比率の向上などがKPIになっている気がする。

久夛良木さんがダイバーシティを推奨する理由とずれるかもしれないが、様々な国の人と同じ職場で働くことで、私は、傲慢な自分が消え、思いやりの精神が育まれると思っている。

日本人が10人で、外国人が1名だとなかなか変わらないが、日本人が半分ぐらいになると、もう日本語だけでは仕事にならないし、もう日本の常識だけで、事を進めることができない。井の中の蛙だった自分を知る絶好の機会である。

今の10代は「スゴイ」

  • 今の10代は「iPhone」が登場したタイミングで育ち、指だけで世の中とダイレクトにつながってきた世代だ。
  • 物心ついたときからネット主体で生きてきて、世界中とつながっているわけでしょう。「日本は」という概念を持たない人材なら、新たなイノベーションを起こせると思う。

世界をつながっている、世界は一つだと思っている人が登場してきた。それを、「ミュータント」(変異種)だと呼んでいる。

久夛良木氏は、今の10代は「幼少期を外国で過ごした人が多い。」とも書いており、日本の枠にとらわれていることを悪とする考えだ。それはそれで、イノベーションにとって必要なことだと思うが、私は、彼らが少し上の世代より、人生に前向きであることの方が重要だと思う。対照的に20代からは「私たちが大きくなったら年金をもらえますか」という質問ばかりされたという経験を披露している。

そして、「10代の子供を育てている親たちも、少し上の世代とは違う気がするね。『自分たちはできなかったけど好きにやれ』と考える親が多い気がする。」とも述べている。

私は、やや遅い結婚でたまたま子供がミュータント世代だが、そう言われると悪い気はしない。

実際、当時金融機関では花形だっが長銀もなく、10代都市銀行もたったの3つに集約された。リース会社の多くは破綻し、百貨店や大型スーパーも淘汰されている。

これから30年後など予想もつくはずがなく、サラリーマンという働き方はマイナーなものになるかもしれない。かなり昔から、「人生好きなことをやらないと損」と言われてきた。これは、サラリーマンが初老を迎え、自らの半生を振り返り語る言葉だったが、今はちょっと違う。「好きにならないと生きていけない」。そんな気がする。

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