【日経ビジネス】 2021/11/12

ぎばーノート~ギバー(Giver)という生き方の記録

三木雄信(トライオン代表取締役社長) 「自分の将来のキャリアを考えて英語を学習し続けよう」

副題に、「Sozo Venturesファウンダー・中村幸一郎氏との対談(後編)」と書かれている。前編も読んだが、取り上げようとまで思わなかった。今回は、いくつか私の興味を引く内容が書かれていた。

最初の問いに対する回答が気になった。

Q:日本人がグローバルに活躍するために英語力が大きな課題となっていますが、発音の正確性、語彙力、表現力を含め、どの程度のスキルが必要でしょうか。最低限の語学力とマインドセットの重要性を教えていただけますか。

回答の要約は以下の通りである。

  • 長女が小学校2年生、次女が幼稚園のときに渡米した。子供たちが周りと遜色なく授業が受けられるようになるまで5年程度かかった。
  • ただ、娘が中学生になった頃には、大学院まで行った私よりはるかに英語力が上であった。恐らく、私の10倍近い語彙力を持っている。
  • ネイティブレベルになった娘とは圧倒的に語彙力が違い、その上に発音がある。言葉の基礎体力が全く違う。それは簡単にキャッチアップできるものではない。
  • 私自身は高校生のときに、会話のキャッチボールを素早く行うスキルを学んだ。伝えたいアイデアを単純化して、ごく単純なセンテンスでブツブツと話す。その代わり、速く言葉を返すというようなトレーニング。
  • 1年ほどトレーニングすれば意思疎通には問題ないレベルに到達する。問題は、そこで慣れてしまうと、それ以上、英語力は上がらないということだ。
  • 「語学力」と「マインドセット」のどちらが重要かという質問については、思考スピードやコミュニケーション力がベースにあれば、語学力に頼らなくても、困らないレベルにまではなると考えている。

本文からの引用を要約している

ここで思ったことは、やはり子供の吸収力はすごいということ。大人になって英語を本格的に学習してネイティブレベルになるのは、最初からあきらめた方がいいのだろう。

次に、中村氏本人のメソッドで意思疎通に問題ないレベルに達するならば、そここそ日本の英語教育で導入してほしい、と思った。

最後の部分は同感である。私も中国で5年ほど働いた。中国語のレベルはとてもビジネスレベルとは言えない。通訳がいない限り仕事が完結しないレベルである。それでも、社内では(日本語バイリンガルのメンバー以外とは)中国語で通した。そして、感情的なものも含めて、意思疎通はできたと思っている。

中村氏の言う、思考スピードとは、言いたいことをその場で頭の中でまとめ上げる能力だと解した。私は会計の専門家として関わっていたから、専門家としての相手の考えや意見に対して、その場で自分の考えが頭の中に浮かぶ。残念ながらそのアイデアが直に中国語変換されていたかどうかは怪しいが、一旦日本語を挟んだとしても、あまりタイムラグなく、「伝えたいアイデアを単純化して、ごく単純なセンテンスでブツブツと話す」ことはできていた。

コミュニケーション力は、実は外国語コミュニケーションにおいて、一番キーとなるものかもしれない。だから、そう簡単な話ではないが、この2つがベースにあれば、確かに「困らないレベル」なれる。これは私も同意見である。

梶山寿子(ノンフィクション作家、放送作家) 『クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』

これは書評である。同書は、ヤニス・バルファキス著、 江口 泰子訳、講談社から上梓されている。

本書は、設定が完全にバーチャル世界。パラレルワールドで、公平で民主的な社会が実現した。リーマン・ショックを契機に、市民グループが知恵と力を結集し、強欲な資本主義の息の根を止めた。

パラレルワールドの“もう一つの2025年”には、リテール銀行や投資銀行は存在せず、中央銀行だけが存在する。市民に定められた額の資金(パーソナル・キャピタル)が国から配られる。企業の組織はフラットで全社員に1株ずつ株式が付与される。基本給は全員同額。株式市場は消滅し、巨大資本による経済の独占もない。

さて、こんな世界は理想の会社なのか、こんな世界に生きるのは果たして幸せなのであろうか。

著者は、経済危機下のギリシャで財務大臣を務めた経済学者。前著は、『父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』。やはりそうだったか。著書の名前をみてもしやと思ったのだ。

前著はすごく面白かったので、また読み直そうとも思う。残念ながら、備忘録を取っていないので、何も覚えていない。面白かったという単純な評価だけが頭の中に残っているだけでは、ちょっともったいない。

でも、先にこの本を読んでみよう。

磯貝高行(日経ビジネス編集長) 「加藤キャディ社長『町工場はもっと強くなる』 部品の受発注つなぐ」

「モノづくりの受発注プラットフォーム事業というのは、どのような仕組みですか。」という問いから始まるインタビュー記事は、さしてとがっているところもなく、さらさらと読んで終わりになりそうだった。

後から読み返すと、冒頭からキーとなる話が書かれていたのですが、私の目が留まったのは、次の箇所だった。

ざっくり言うと、ある材料をこれくらいのサイズで買ってきて、機械をこう回して、こういう仕上げをすればこういう部品ができるというのを、最終的な完成図面から割り出せるということです。

部品製造の工程が分かれば、例えばある工程で機械が5分間動くとすると、機械の費用5分ぶん、そこに張り付く人の費用5分ぶん、材料費などとコストを積み上げ、金額を出します。この工程で128円、次の工程で34円みたいなのが積み重なって、町工場の利益も載せて、価格としてはいくらだと決まる。これを自動でやっています。

「加藤キャディ社長『町工場はもっと強くなる』 部品の受発注つなぐ」  磯貝高行 日経ビジネス 2021/11/12

え?どういうこと。原価計算の自動計算って。しかも、材料費のみならず労務費や経費も、加えてマージンもマークアップしている。そんなことをあり得るのかと。

冒頭に書かれている大事なことは、「ポイントは品質、価格、納期の責任を全てキャディが持っているところにあります。」という点。つまり、単なるジョブマッチングではなく、完全に自分たちが間に入って業務を「受託」するのである。

この会社は日本の町工場を本当に元気にさせるかもしれない。すでに80億円調達済のようだが、無茶苦茶注目の1社だと思う。社長とCTOは継続フォローしていきたいと思う。