2021/9/10 ウォークマン②

ぎばーノート~ギバー(Giver)という生き方の記録

前回、ウォークマン(デジタルオーディオプレイヤー)について書いた。今回はその性能と、自分の耳に実際に聞こえる音について書いてみたい。

ウォークマンを買い、そのための音楽管理ソフトを、SONYのMusic Center for PCにしたのは、FLAC形式で音声を保存できるからである。

FLAC形式で保存できることにより、CDの音をほぼそのまま再現できる。逆に言うと、AACで保存してしまうと、CDの音が忠実に再現されないということである。

ところがである。実際に自分の耳で確かめたところ、情けない結果となった。

フィーマット:AAC
ビットレート:1)192kbps、2)320kbps

フォーマット:FLAC
ビットレート:3)950kbps

ベートーヴェンの交響曲第1番の第一楽章を、この3パターンの音楽データを保存し、ウォークマンに転送して聞き分けを行った。

kbpsとは1秒間に送ることができるデータ量なので、単純に言えば、データ容量は、1):2):3)で、1:1.67:4.95となる。
CD1枚のデータ容量は700MBである。それに対してFLAC形式で保存すると約550Mになるようだ。ここだけ切り取って考えると、FLACであってもCDの音よりもかなり劣化していると思ってしまう。AACの192kbpsに至っては、音楽としての体をなしていないのではないかと。

ところが、4000円程度で購入した、オーディオテクニカのカナル型イヤホン(ハイレゾ音源対応)を使って聞き比べしたところ、どれも差異が全く分からなかった。何度聞いても微妙な差さえ識別できなかった。

ちなみに、ハイレゾというのは、ハイレゾリューションオーディオ (High-Resolution Audio) のことであり、日本語に訳すと高解像度な音源という意味になる。これは「CD」に比べて高解像度な音源という意味で使われている。

なので、一応CD以上の音質にも対応できるイヤホンを買っているはずなのだが、AAC192kbpsとFLACの差が1mmも分からなかったのである

この発見に対して、私は大先輩に小躍りして以下のようなメールを打った。

 さて、1)、2)、3)の聴き比べをしました。はっきり言って、違いは全然分かりませんでした。これはショックでした。デバイスが悪い訳ではないと思うので、敢えて言えばイヤホンをもう少しアップグレードすれば違うのかもしれません。ただし、今以上音を追求するならば、高いイヤホンを買うより、そもそも家でいいDAPとスピーカーを買って聞くべきかなと思いました。

 いくつかのサイトに当たりましたが、以下のようなコメントがありました。“また、一般的に普及しているイヤホンやヘッドフォンを使っている場合、ビットレートを160kbps以上にしてもほとんど音質が良くなりません。1万円以上の高品質ヘッドフォンを使って初めて、192kbps以上の効果を実感できますので、お手持ちの音響機器に応じてビットレートを変えていきましょう。”

 そもそも1976年のレコーディングですから、CDの音質をそのまま再現できても、音源が悪いですね。そうして検索したら、こんなサイト(※)に出会いました。アマチュア愛好家のようですが、私が彼を上回る聴力を持っている気がしません。。。
 本当におっしゃる通りでした。FLAC形式保存ができるのは有難いですが、私のベートーヴェンの音楽管理には不要です。192kBPSでさっさとリッピングしていこうと思います。

(※)「ハイレゾを聴き分けられるか!? ~FLAC AAC 比較テストをしてみた」(興味のあるかたはリンクをクリック。)

私の偽らざる気持ちを書いた。「本当におっしゃる通り」と書いたのは、私が最初のメールで、生半可の知識で、FLAC形式でなきゃダメとか、ハイレゾ対応必須とか、偉そうに書いたことに対して、「ヘッドホンを前提とするのであれば、その程度の音は、スマホでも十分です。」というご返事をいただいたからである。

ようやく大先輩の意図が理解できた私であったが、次にもらった返事を見て、再び自分の浅さ加減に穴があったら入りたくなった。

仰るように、フォーマットによる音の違いははっきりとは分かりません。
強いて言えば、音の広がりとか、全体の純度などが、向上するような気がします。
この気がするという点が重要で、そもそも精神的な満足を得ようとしている訳ですから、音が良くなってような気がするという満足感が必要なのです。
それでは、必ずFLACやWAVにすべきかと言うと、そうではなく、聞く環境によって、満足する頃合いを探ることになります。
全く無音で音響環境の良いの状態で、かつ上級の機器で聞くのであれば、フォーマットも最高でないと満足できないと思います。
しかし、雑音が多い状況で、しかもイヤホン(10万円のイヤホンであっても)で聞く場合は、フォーマットに拘る必要性は薄れます。
そんなことに拘りながら、自分自身の最高の組合せを見つけていくことが、楽しみのひとつになります。
古い録音でも、その古さが良いという場合もあります。
その古さを忠実に再現できるような高音質の音を求めるという可笑しな方向もあります。
聞く音楽自体が一番大事なのですが、オーディオ機器は香辛料のようなものと考えて、いろいろ試すのが良いのではと、私は考えいます。

ご本人の了解を得ていないので、このブログにアップして本当によかったかどうか大いに問題だが、あまりにも素晴らしい返答なので、これは永久保存版として、ここに残しておきたい。

ウォークマン Aシリーズ 16GB (ヘッドホンなし)NW-A55 ホライズングリーン
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