【日経ビジネス】2021/11/1

ぎばーノート~ギバー(Giver)という生き方の記録

三田敬大(日経ビジネス記者) 「郵便局に両極端な『無人コンビニ』 日本郵政とファミマ、思惑一致」が面白い。

日本郵便がファミリーマートと連携する実験店を2カ所で開業した。郵便局のリアル拠点の中に、ファミマの無人店舗を置くというもの。

一つは14㎡の無人店舗。それなりに大きく品ぞろえは350種類。こちらは店内のカメラやセンサーが自動識別して、レジで利用者がセルフで決済する。

もう一つは郵便局にコンビニ商品の棚を置く方式。こちらは70種類と小さい。支払いは郵便局の窓口で行う。

2つ面白いと思った。1つは、すでに日本郵便はローソンと組んで、110店舗も拠点内や周辺に誘致してきたという。この意味するところは、ビジネスパートナー、アライアンスといった概念は薄れているということだ。

収益に資する提案であれば、同業他社であってもどんどん一緒にやっていくという弱肉強食の世界が見える。

ローソンとの提携内容はわからないが、今回のファミマの提案は、商品の補充はファミマが手掛け、無人店は賃料、棚方式は売上に応じた手数料を郵便局に支払うというもの。日本郵便側は労せず、場所の有効活用が図れる。

もう一つは、実験店2カ所の違いである。郵便局に行く人を客層として取り込むのであれば、後者の方が親和性が高いと思う。前者のオール自動決済方式になじんでいる人は、そもそも郵便局など行かないのではないか。私ですら、もうネットバンクしか使っていない時代だ。

ただ、結果がどう出るかはちょっとわからない。郵便局のある場所(地の利)次第では、潜在顧客と呼び込むことができ、意外に前者の方が流行るのかもしれない。

鉢嶺昇(デジタルホールディングス代表取締役) 「すべて自動運転車になると何が起きるか」

自動車産業の未来の話で、孫泰蔵氏(孫正義氏の弟)は、今後数年で自動運転技術が搭載されたEVが街中にあふれ出すと予想しているという。

今後数年というのは私の想像をはるかに超えるスピードである。エンジン関連部品を商売にしている会社と関わりがあったが、エンジンの需要は2025年まで増え続けるとも予測されており、そんなに早くEVにとって代わられるとは思っていない。(もちろん表向きの話と裏側の危機感は異なる。)

自動運転技術とEVは必ずしてもリンクしないが、本当に運転席に人がいないで走る世界などは考えられない。

これに続いて、「タクシーの無料化」という話が書かれている。タクシーのコストの7割は人件費だそうだ。確かにこれは肯ける話である。整備コスト、保険料などもろもろ含めると、タクシーが会社のコストは劇的に下がる。

タクシーが無料化すれば、自家用車も不要、駐車場も不要、信号機も不要。。。

続いて宅配コストがゼロに近づくと書かれている。興味がある人は、ぜひ本文を見てほしいが、とにかくこういった未来を想像することをしておかないと、もう現状ですら我々は着いていけなくなってしまうのではないか。

未来を自由に想像し、似たような将来を来た時に、「予想通りね」あるいは「ちょっと違ったな」と現実を軽く受け止めるしなやかさがないと、日常の突風レベルの変化を、ただストレスにしか感じなくなってしまうだろう。

それは避けたい。

松本純子(農林水産省) 「絶滅寸前からの逆転! 広がりを見せる木桶醤油」

醤油は日本の食文化を支えてきた発酵調味料。発酵という意味では味噌の方が有名になっている気がするが、醬油もそうである。

実は、現在の醤油造りのほとんどは、ステンレスなど金属製のタンクが主流となっており、木桶仕込みの醤油は全体の1%を切っているといいます。

「絶滅寸前からの逆転! 広がりを見せる木桶醤油」 松本純子 日経ビジネス 2021/11/1

ここで紹介されているのが、香川県小豆島の「ヤマロク醤油」の山本康夫さん。

添加物の入った醤油が4割を占めていたのを、ほぼ全てやめて、丹波黒豆を使った「菊醤」と再仕込み醤油の「鶴醤」の2つに絞ったという。その他、瓶の大きさ、売り先の切り替えを行った結果、生産量は微増で、売上は9倍に伸びたらしい。

本当に価値のあるもの、健康によいものに対して、人は何倍ものお金を払うこと言うことだ。美味しいのはいうまでもないと思うが、味だけで単価が9倍になるとは考えにくい。

醤油増産のため、新桶を発注すると、「醤油屋からの新桶の発注があったのは戦後初だ」と言われたらしい。

木桶醤油のシェアーは1%。これを奪い合うより、みんなで2%にした方がいいという。倍ですから、簡単な話ではないのでしょう。

最後に山本さんがおすすめする「たまごかけごはん」のレシピが紹介されている。以下、YouTube動画を貼り付けておく。

醤油屋直伝「究極のたまごかけごはん」の作り方
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