長年勤めた大手監査法人を退職するときの「心」の声(2020年12月)

ぎばーノート~ギバー(Giver)という生き方の記録

2020/12/28
本日は、16年半務めた会社の最終日。前日までにほとんどの業務をやり終えていたが、職員人事の引継ぎ事項のフォルダ作成だけが未了であった。しかしながら、電話や会議などがあり、思うようにフォルダ作成ができない。その間、退職の挨拶メールの返事がどんどん届く。

結局、フォルダ作成を終えたのが16時半過ぎ、残りの時間で、過去退職された方の連絡先をWordにコピペしたかったのだが、2015年から2018年3月分まで保存するのが精いっぱいで、17時10分になってしまった。これ以上遅れて機材(PC等)の返却でできなくなったら後日自費で返送しなければならないため、諦めてIT Supportに駆け込んだ。その場でiPhoneの初期化がなされた。過去の記録が一瞬にして消された。

最後、セキュリティーカードを別のビルに返却することになっていたが、時間がないのは承知しつつ、大事な引継ぎディスカッションを行った。

18時に別のビルに着くと、予想通り「本日の業務は終了しました」の看板が下がっている。入口でうろうろしてして困っていたら、帰りがけの人に出くわし何とかしてくれた。この日を逃すと正月休みだから、優しくしてくれたのだろう。これでセキュリティーカードの返却も完了、すべての退職プロセスが終了した。

今日は20時に中国の元駐在員メンバーとのZoom飲み会がある。ちょっと時間があるのでいきなりステーキに立ち寄ることにした。16年半勤めた会社の最終日であれば、一瞬、自分のご褒美のために奮発しようかと思ったが、ワイルドハンバーグ300gで済ませた。これからは、自分に対して、節約スタイルを身に付けなければいけない。

退職に際し、さして特別な感慨はなかった。来るべき日が当然に来たという感じだった。銀行を8年半勤めて辞めた日の方が、はるかに感慨深かった。転職は何度かすると慣れてしまうのであろう。

2020/12/29
退職後初日はあわただしかった。横浜カントリークラブでのゴルフだった。朝5時5分に起きて、ゴルフバッグを担いで自由が丘に向かった。

三田線の中吊り広告に、今年の年末のジルベスター・コンサートがあった。カウントダウンの曲目は、ベートーベンの交響曲第5番の第4楽章とあった。これを見て、心が動いた。私が初めて接したクラシック音楽が、この「運命」であった。親父が買ったカセットテープ。バーンスタイン指揮のニューヨークフィルの演奏であったことも覚えている。何度か聴いているうちに第4楽章が一番素晴らしいと思った。当初は、しつこくくどいフィナーレを、本当にいつ終わるのか、いつ終わるのかと思いながら聞いていた。正月の0時0分ぴったりに合わせる曲としてはうってつけだとも思った。

「運命」というタイトルもこの時期に相応しい。これからの新しい扉を開くための運命のフィナーレが、大みそかとともに終え、新しい時代の幕開けを迎えるのが今から楽しみである。

ゴルフが終わり、一旦家に戻って、夜はまた自由が丘でラウンドしたメンバーと飲み会があった。大連時代に知り合った貴重な仲間である。当時銀行で大連支店長だった方が、米中戦争の話を切り出され、「これから中国ビジネスは大変ですよ」とおっしゃったのは意外であった。その方はまさに外語大出身の中国エリートだったからである。僭越ながら私とお考えが似ているなと思い、より身近に感じられた。その方がYouTubeでフォローしているチャンネルを後日教えてもらった。本当に面白い。後日紹介する。

そういえば、足がないので私は行きは自由が丘まで電車で行って、車に乗せていただいたのだが、「奥井さんどうしたの」というところから会話が始まった。「奥井さんはパワハラする人じゃないから、セクハラかと」。全く想定外の推測がおかしかった。なんでも話せる仲なので、年収や預貯金の話にも及んだ。「それしかなくて本当に大丈夫ですか」と言われて、退職時にためておくべき客観的な資産の水準が分かった。私は引退する訳ではないので、平均的な退職者より少なくて当然だ。

外大の方でもなく、車の方でもない、もう1人の方は20歳も年齢が離れている大先輩だ。商社の主要子会社の常務までされた方で、大連時代は現場がもめるところをいろいろ救ってくださった方である。このように大連帰任後7年も経って、ゴルフに誘っていただき、今後もつながりを持てるのは本当に有難い。

2020/12/30
本日は、ほぼ終日家にいた。退職のご挨拶メールの返事が追い付かなかったので、個人のメールアドレスから書き続けた。また、若干の残務の返事を書いているうちに夕方になってしまった。ちょっと寂しく思ったのは、28日の時点で私は会社のメールアドレスにアクセスできなくなっていた。退職日は31日だが、セキュリティーの関係からアクセスする権限が奪われていた。
毎日大量のメールを見て、時には長文の返事を書き、TO DOをこなす毎日。あと残すところもう1日だが、今日でほぼその日々は終えたと思われる。

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