「蜗居」について

「蜗居」という六六さんの小説を毎日コツコツと読んでいる。

私が中国に駐在している頃(2009年7月)に、この作品がテレビドラマとなった。当時教わっていた家庭教師の先生から勧められて、私はDVDを買って見た。上海にいたときなので、2011年の秋以降のことだ。

当時の中国がよく描かれていて、かつストーリーも非常に興味深かったため、帰国前に上海の書店で原書を買った。いつか原書を読んでみたいと思いつつも、一人で読むにはちょっと難しすぎる。そのため長らく封印していた。

数年前に前職の会社の補助金ではじめたオンライン英会話から大きなヒントを得て、「そうだ、無料音声SNSを使えば、授業は受けられる」ということに気づいた。大連時代に教わっていた先生に連絡と取って、WeChatで「オンライン中国語」を始めることにした。もうかれこれ2年半が経過している。「オンライン中国語」で、この本をテキストにし、訳しながら読んでいる。

本書は303ページの長編小説であるが、現在295ページまで来ている。1回のレッスンでだいたい2/3ページのペースであるから、このテキストだけで450回程度続いていることになる。概ね2年かけて1冊を読み終えようとしている。

さて、内容について簡単に記載する。この小説の初版は2007年12月であるが、おそらくその数年前の2000年初頭の上海について描かれているのだと思う。海萍(ハイピン)・海藻(ハイザオ)姉妹の物語である。姉は、典型的なサラリーマン夫婦。共働きをして、夢のマイホームのために倹約生活をしている。子供が生まれてからは、自分の実家に預けて一心不乱に働くが、姉の方は会社ともめて首になり、外国人に中国語を教えている。

一方、妹は親の反対を押し切り姉を頼って上海に上京。小貝(シャオベイ)というボーイフレンドと付き合うようになるが、仕事の関係で知り合った宋思明という有能な役人と深い関係になっていく。

その後いろんなことが重なり宋思明との関係は切っても切れなくなり、彼のおかげで姉はマイホームを得て、妹は妊娠する。宋は、賢く有能な役人であった故に過信があった。上海で不動産開発をする香港人に対し、自分の息のかかった会社と業務提携してもらって、香港上場を果たし、自らも大きな利益を得ることを目論んだ。ところが、息のかかった連中が大きな不始末を犯し、それあだとなり、共産党の規律検査委員会に調査され、悲しい最期を遂げる。

ちなみに、この本は日本語に翻訳されている。(参考:「上海、かたつむりの家」 六六著 青樹明子訳) 
しかしながら、個人的にはおすすめしない。全部を訳していないからだ。ストーリーが分かる程度にディテールがカットされている。抄訳と書かれていないのは残念である。